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CPUのごった煮状態!新しい「第8世代Intel Coreプロセッサー」まとめ

CPUのごった煮状態!新しい「第8世代Intel Coreプロセッサー」まとめ

第8世代Intel Coreプロセッサーが難しくてよくわからんと感じるのも無理からぬことです。2017年10月に、私はこの第8世代Coreプロセッサーを「紛らわしいフランケンシュタインのようなモンスター」と呼びましたが、それは今でも当てはまるのですから。「第8世代Coreプロセッサー」とは、その言葉のもとに一括りにされてしまったマイクロアーキテクチャたち(※)のこと。第8世代Coreプロセッサーの情報は、7カ月にわたって少しずつ伝わってきました。

※マイクロアーキテクチャ:CPUなどのマイクロプロセッサの電子回路設計

そして、2018年4月3日、また別のプロセッサーたちが発表され、CPUのごった煮状態に。じゃあ、解明してみましょうか、そのすべてを。

何が新しいの?

2018年4月3日、インテルはラップトップ向けCPUシリーズをいくつか発表しました。

すべてのCPUは、Coffee Lakeマイクロアーキテクチャをベースにしています。Coffee Lakeが初めて導入されたのは2017年10月であり、今回発表されたCPUはMeltdownとSpectreに対するハードウェア的な対策がなされておらず、パッチのインストールによって対策することを意味します。

Coffee Lakeをベースにする一方で、すべてのCPUがモバイル(ラップトップ)向けであり、噂によれば非常に高速。ビジネスモデル・パフォーマンスモデル・低電力モデルの3種にさらに分けられます。

Uシリーズ

低電力のCPUから始めましょう。これらはKaby Lake R CPU(2017年8月発表)の高性能化した姉妹モデルです。TDP(※)が高く、最近流行のスリムなノートブックやUltrabook(※※)には収まらないでしょう。Intelはどのラップトップメーカーがこれらのチップを搭載した製品を発売するのか発表しませんでしたが、Apple(アップル)のMacBook ProやDellのXPS 13などに搭載されるでしょう。

※Thermal Design Power:日本語では熱設計電力などと訳される。半導体の発熱量を示し、事実上、消費電力を指す。CPUの場合、TDPが高いと大型PC向け。詳細は後述。

※※Ultrabook:バッテリーを圧縮せずに体積を減らしたサブノートPC。

HシリーズとMシリーズ

別の2タイプのCPUも見てみましょう。HシリーズIntel Core CPUとMシリーズXeon CPUです。これらすべてはUシリーズよりもTDPが高いです。Hシリーズのi7とi9、Xeonは6コアです。Intelのモバイル向けでは初めてですね(Hシリーズのi5は4コア)。コア数が多いとより多くの処理を同時にこなせます。つまり、タスクをより速く処理できます。

HシリーズのCPUは、動作が滑らかなゲーミングラップトップとほかのもっと大きな(思うに15インチ以上)ラップトップ向けです。

HシリーズCPUふたつとMシリーズXeon CPUふたつがvProテクノロジーに対応しています。vProは、IT部署がより簡単にデバイスをリモート管理できるようにしてくれます。その結果として、それらのCPUは大きなプロフェッショナルワークステーションラップトップ(15インチ以上)に搭載されると思われます。DellのPrecisionシリーズや、LenovoのThinkPadシリーズ、HPのZbookなどです。

低電力デスクトップ向けCPU

インテルは「低電力」デスクトップ向けCPUも発表しました。同様にCoffee LakeをベースとしたそれらのCPUはIntelの一般向け製品を締めくくるものです。

CPUのごった煮状態!新しい「第8世代Intel Coreプロセッサー」まとめ

低電力デスクトップ向けCPUはふたつに分けられます。標準的な電力の65W CPUは、モデル名の最後にアルファベットがつきません。新しいTシリーズ 35W CPUは、家庭用サーバーやネットワーク接続ストレージデバイス、ホームシアター用PCに最高だと思います。地元の図書館やオフィスビルの安価なタワー型デスクトップにもいいでしょうね。

TDPって何?

TDP(Thermal design power)は、プロセッサーの発熱限界値を示します。CPUにもGPUにもTDPがありますが、その値が決定的に重要になるのはラップトップ(あと超複雑なデザインのデスクトップ)においてです。プロセッサーのTDPは、そのプロセッサーがどんなデバイスに搭載できるかを決定づけます。TDPが高ければ、CPUは冷却と電力をより必要とします。i9-8950HK のような45Wのプロセッサーは、15Wプロセッサー用にデザインされた極薄のUltrabookには搭載できません。

新しいプロセッサーマイクロアーキテクチャが発表されても、すぐにお気に入りのラップトップをアップデートできない理由はTDPにあります。最初に第8世代CPUをローンチしたとき、Intelは15Wのプロセッサーから始めました。伝統的に、15WのCPUは極薄ラップトップ用に予約されています。一方で、28WのCPUはMacBook ProやDell XPS 13といったよりメインストリームラップトップ(※)に搭載されます。しかし、多くのラップトップメーカーは、15Wに乗り換えてしまいました。たとえば、新しいDell XPS 13は実際に2017年8月に発表された15Wの第8世代CPUを使っています。

※大型・高性能のノートPC。

各モデル名末尾のアルファベットは何?

Hシリーズ、Uシリーズ、Tシリーズなどと語ってきましたが、それがわけわからんという人もいるかもしれません。

Intelは厳密なルールに基づいてシリーズ名をつけているわけではありませんが、シリーズ名末尾のアルファベットには、(1) オーバークロックできるか、(2) TDP要件とモバイル向けかデスクトップ向けか、の2つの意味があります。

Kは、オーバクロック可を意味します。CPUからできるだけパフォーマンスを引き出したいというPCバカな人には嬉しいですね。高速を求めた挙げ句コンピュータを丸ごとダメにしてしまった時代ほど、今のオーバークロックはリスキーではありません。2018年4月3日に発表されたi9-8950HKは、2017年10月発表のi7-8700Kと同様にオーバークロック可能なCPUの一例です。Kがついたプロセッサーは、デスクトップ専用の傾向がありますが、i9-8950HKは第8世代においてその名にKを持つ初めてのモバイルCPUです。残念なことに、それがIntel唯一のオーバークロック可能なモバイルCPUではありません。i7-8809GというCPUがあり、このCPUは名前にKが入っていませんが、オーバークロック可能です。

これ以外の文字はそのCPUが属するシリーズ名を示しています。

Uシリーズ:モバイル用で、TDP 15Wと28Wがあります。Intelの最初の第8世代プロセッサーはKaby Lake Rをベースにした15W Uシリーズプロセッサーでした。2018年4月3日に発表されたUシリーズはTDP 28Wで、Coffee Lakeをベースにしています。

Tシリーズ:デスクトップ向けです。TPD 35Wのみです。

Hシリーズ:2018年4月3日に発表され、モバイル向けです。すべてTDP 45Wで、ゲーミングラップトップやモバイルワークステーションに採用されるでしょう。

Gシリーズ:先週リリースされ、発表自体はCESで行なわれました。TDP 65Wと100Wがあり、AMDのGPUを搭載しています。最初は、Dell XPS 15 2-in-1のようなワークステーションに採用されるでしょう。

どれくらい速いの?

発表されたプロセッサーがどういうものかを見てきましたが、ここで実際に問題になる、プロセッサーがどれほど速いのかに移りましょう。

すべてのCPUはCoffee Lakeをベースにしており、ほかのCoffee Lake CPUで見られた速度向上の多くを期待できます。すなわち、同じTDPの第7世代CPUと比べて、平均で20%ほどの向上が見られるということです。新しいCPUは、Optaneメモリをサポートしています。ラップトップの読み込み時間と書き出し時間も向上するでしょう。

残念ながら、Intelは他世代のCPUに対して新しいチップがどれくらい速いのか、その詳細を提供していません。代わりに、IntelはHシリーズと3年前のCPUと比較して、デスクトップ向けCPUの場合、88%速度向上、5年前のシステムより約2.5倍速くなっているとしています。一方で、IntelはUシリーズの28Wについては目立ったパフォーマンス上の主張をしておらず、変に感じるところもあります。多くのラップトップメーカーがフラッグシップモデルにおいて28Wから15Wに移行してしまうのです。こうした動向は、私たちに「28WのCPUはいったいどうなるのだろう」と思わせるところです。

参考になる数字はある?

いくつかありますが、それらはパフォーマンスの全体像を見せてくれるものではありません。

MSIが私たちにi7-8750HとNvidiaのGPU・Max-Q 1070を搭載したゲーミングラップトップ「GS65 Stealth」を送ってくれました。また、昨年末にMSIのゲーミングラップトップ「GS63VR」をテストしたときにもいくつかの数字をとることができました。MSI GS63VRはCPUに第7世代のi7-7700HQを、GPUにNvidia 1070を採用しています。

GS65 Stealthは、『シヴィライゼーション VI』を1ミリ秒速く描画できただけでした。ほとんど速度向上していなかったのです。しかし、『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』を1080p・High設定でテストすると、GS65 Stealthの描画スピードは93.9フレーム/秒。GS63VRよりも丸々13FPSも速かったのです。GS65 Stealthは昨年末に出たばかりですが、総合ベンチマークソフト「Geekbench 4」でより古いラップトップを打ち負かしもしました。GS65 Stealthのシングルコアスコア(CPUのシングルコア動作時のパフォーマンスを評価する値)は5041、対するGS63VRは4250。また、MSI GS65 Stealthは増えた2コアのおかげでGS63VRをマルチスコアでも上回っており、スコアは18031(GS63VRは12850)。

これが示唆するのは、第8世代CPUはいい感じに向上していますが、昨年購入されたコンピュータのアップグレードを保証するほどではないということでしょう。

新しいCPUが実際に手に入るのはいつ?

HシリーズとUシリーズを搭載したラップトップは、今月発送がスタートします。AcerやMSI、HPにAsusはHシリーズ搭載ゲーミングマシンをすぐに出すと約束しています。

デスクトップ向けのプロセッサーは2018年4月3日に発送開始です。

Image: Gizmodo US, Intel

Alex Cranz - Gizmodo US[原文](かみやまたくみ)

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