お仕事用PCとしてオススメしたい:ゲーミング(?)ノートPC「XPG Xenia Xe」
ゲーム用ってことは、つまりパワフルだということなので、重いタスクをこなすクリエイティブ系作業が多い人に向いているんです。ゲーム用PCのレビューを多く担当する米GizmodoのJoanna Nelius記者が、またノートPCをレビューしました。今回使ってみたのは、AdataのXPG Xenia Xe。
Adataといえば、SSDやDRAMモジュールで知られる会社。XPGの名でゲーム用の周辺機器も作っています。ここが、最近はゲーム用ノートにも力をいれています。XPGの初代ゲームノート、かなり好きでした。パーツのチョイスも、メカニカルキーボードも、排熱デザインもよかった! 初代が好印象だっただけに、期待を高めにもちつつ、今回はXPGゲームノート2代目となる「XPG Xenia Xe Gaming Lifestyle Ultrabook」をレビューしました。
先に言っちゃうと、ゲーム用ノートPCと呼ぶにはちょっとなぁという気持ち。なぜなら、端末のサイズ感はゲーム用ノートですが、それ以外は生産性を重視するいわゆる「プロダクティビティ系」端末だなと感じたからです。
スペックを見るとわかりやすいと思います。Intel Core i5-1135G7にIris Xe統合グラフィック。メモリが16GBで、SSDが1TB。スプレッドシートや、ちょっとした動画編集はもちろん3Dレンダリングもこのスペックで問題ないと思いますが、ゲームとなると話は別。ちょっと足りない。なので、ゲーム用と言うのは抵抗あります。
XPG Xenia Xe Gaming Lifestyle Ultrabook
これは何?:AdataのXPGゲーム用ノートPC第2世代
価格:1350ドル
いいところ:パフォーマンス、バッテリーもち、ポートの種類、重さ&サイズ
残念なところ:真のゲーム用端末ではない
『クライシス』がプレイできるか?
ゲームできるかと言えば、もちろんYES。
『オーバーウォッチ』『Shadow of the Tomb Raider』など、ゲーム用ノートのレビューでベンチマークとして通常プレイするだいたいのタイトルは十分できます。ただ、IntelのモバイルプロセッサTiger Lakeの最初のベンチマークテストで見たフレームレート数は、Intelが統合グラフィックで騒いでたほどはなかったからなぁ。フレームレートが50fpsあたりにいくと、グラフィック設定を下げて720pあたりにしないときつい。
Iris Xeは期待ハズレかというと、そういうことではなく。AMDの統合グラフィックVegaを超えているし、AppleのM1チップとはいい勝負。ただ、NvidiaのGeForce MX450ほどはないというだけ。(GeForce MX450は性能で言うと、GTX 1050とGTX 1650の間くらい。厳密には、モバイル統合GPUではないものの、ノート向けに開発されたものなので一応比較してみました。)もし、XPGがGeForce MX450を搭載してたら、1080pでゲームできてたと思うので惜しいですね。
今回のレビューでのテストは、『オーバーウォッチ』が、画質ウルトラ/1080pで47fps。画質を低にすると、フレームレートは倍になりました。『Total War: Warhammer II』で低画質/720pで56fps。『Shadow of the Tomb Raider』が46fps、『ファークライ5』が48fps。アンチエイリアス設定を最小にすると、もうちょいフレームレートは上がりましたが、平均値は上記の数値が最大でした。
また、『オーバーウォッチ』を数時間プレイしていると、CPUとシャーシがかなり熱くなりました。そう、排熱ファン非搭載なんですね。ゲームしないならそれも静かでいいんですが、ゲームしてるとどうしてもヒート問題がでちゃう。HWInfoで測ったところ、最大で97度にまであがっていました。キーボード上のサウンドバーのあたりは52度ほどで、触るの注意。キーボードは40度程度。
どちらかと言うとお仕事端末
てことで、ゲーム用ノートではない。では、仕事用ノートとしてはどうでしょう。
まず見た目のデザインはシンプルで控えめ、THEゲーマー感がなくてビジネスに適しているかと。シルバーボディが美しいです。Intel Core i5-1135G7搭載のノートはLenovo Yoga 7i(レビュー記事はこちら)がありますが、2-in-1端末を好まない人もいるので、一般受けするのはXPG Xeniaかと。
基本性能はLenovo Yoga 7iと大差ありませんが、3Dレンダリングや動画トランスコーディングするなら、XPG Xeniaの方が1分ほど速い結果がでました。BlenderでのCPUレンダリングテストは8分45秒。Handbrakeでのテストは14分15秒。
また、スペックは非常に近いのですが、XPG XeniaのDRAMの方がLenovo Yoga 7iのDRAMよりも速く、4266MHz VS. 3200MHzという数値に。XPG Xeniaは8GBで、レビューしたLenovoは12GBだったのですが、それがそのままパフォーマンス速度にでるというわけではないので。
あれこれ比較
Lenovo Yoga 7iとの比較を続けると、ディスプレイもXPG Xeniaの方が約2倍の明るさ(448nits VS. 271nits)。また、1080p FHD IPSタッチスクリーンで表面がCorning Gorilla Glassコーティングされているのも良き。
バッテリーもちは、Adata公式がうたう通り最大16時間、平均は12時間ほど。レビュー時のテストでは12時間38分をマークしており、これはMicrosoftのSurface Laptop 4よりもちょっと長く、Lenovo Yoga 7iよりも2時間長い。
ポートの種類が豊富なのもいいですね。USB 3.2 Gen 2x1 Type Aが2つ、Thunderbolt 4が2つ(USB-Cとしても使用可能)、HDMI 2.0が1つ、3.5mmイヤフォンジャックが1つ。使いそうなやつは全部ついてます。これで重さが3.63ポンド(約1.6kg )、厚さ最大0.58インチ(約1.47センチ)。ディスプレイ15.6インチの端末としてなかなかいいサイズ感だと思います。
端末名の「Gaming」部分を無視すれば、「XPG Xenia Xe Gaming Lifestyle Ultrabook」は非常にいいお仕事ノートPCになると思います。そう高くもないし。ただ、近いスペックでもっと安い端末は他にもある(MSI Prestige 14 Evoとか)ので要検討。
ゲーム用ノートではないなら、何に分類するのがいいか。私的にはノートPCの中堅どころとしますね。
驚くべき特徴はないけれど、期待したことはしっかりやってくれる。Lenovo、MSI、Acerの端末の中にいても、自分の位置をしっかり持てる端末だとは思います。正直、ゲーム推ししない方が絶対いいと思うんですけど。端末名に「Gaming」って入れないほうが広く受け入れられると思います。
ちなみに、ゲーム用ノートを探しているという人には、別の端末をオススメします。